今日は東日本アメリカンフットボール春シーズンの締めくくりXLI PEARL BOWL(第41回パールボウル)… と書いてしまえば綺麗にまとまるのですが、実はまだ22日も29・30日も2部のSPRING BOWL(30日決勝)とその敗退チームによる交流戦が残っております(汗)。いずれも富士通スタジアム川崎(旧川崎球場)です。これらの試合も面白いですし、入場も無料ですので、ぜひ!!
ということで、仕切り直しして言い換えれば、最高峰トップリーグの締めくくりでもあるパールボウルでした。
春シーズンはタネを撒き、秋シーズンの収穫を夢見ての準備。それはなにもチームや選手だけに限らず、写真撮影や人間関係にもいえること。狭い世界に生きているひとは狭い世界を自分のすべてと信じて思い込み、狭い世界の中で死んでいく。いろいろなことを経験した一流と言われるひとは常に世界を変えていける。そんなことまで深く染み込んだ春シーズンでした。
人生のなかでチアリーダーを含めたフットボールを知った者と、知らないで人生を終える者。ボクの人生は幸いにも正月に偶然つけたテレビで菅原俊選手(オービックシーガルズ)に引き込まれ、フットボールを知れた側に入ることができました。そしてそれからしばらくして知ったチアリーダー。サイドラインを挟んだ中と外、いまは完全にこの素晴らしいフィールドに魅了されています。
その昔のボクがそうであったように、これが例えば片側一方しか知らない状態、ボール競技や勝負の世界にチアリーダーはいらないとしたら、それはフットボールを知らないのと同じことになる気がします。土曜日の大雨の中での試合、実際にカメラが1台壊れるほどの雨でした。しかしサイドライン、ブルズのチアリーダーが嫌な顔も見せず、寒さや雨などビクともしない! そんな感じでいつもと同じように応援をリードしていました。ボク自身、その試合で、もしブルズチアリーダーがそこでそうしていてくれていなかったら、雨宿りしながら要所でしか写真を撮らなかったと思います。もしくは大雨予想で川崎にすら行かなかった可能性だってあります。そして現実にブルズチアリーダーに比べたら、雨具も装着しているし、寒さを感じたらもう1枚防寒着でも羽織ればいい。いざとなったら試合中でも軒下にだっていける。その日の撮影はブルズチアリーダーがひとつの支えでした。
勝ち負けだけの世界はギスギス感とともにあり、勝てば良いのですが負ければ悔しかったり腹立たしかったりするのが勝負の世界。英国の調査によると、その地域でサッカーの試合がある日の犯罪率は極端に上がるらしいのです。今はどうかわかりませんが、その昔、サッカーの試合で不甲斐ない負け方をしたチームのサポーターが「カネ返せ」と叫んだり、「謝れ」と選手を呼びつけたりしたのはここに繋がるのだろうと思います。もちろん勝負事は勝ち負けがあるから楽しいし、試合は存在する。日本語の試合と英語表記game(ゲーム)はなんだか違う気がしてならないのですが、たとえ試合に負けてもチアリーダーは笑顔(とまでいけないチアでも柔らかな表情)でいてくれる。棘を抜いてくれる。もちろんチアリーダーもその同じチームですから、悔しさや喜びやらの感情をともなった喜怒哀楽は存在しています。涙だって何度も見てきました。撮れせていただいてきました。でもそんな彼女たちも人前では笑顔に戻ります。時には厳しい表情で士気を高めたり、「獲れるよ」「勝てるよ」と声に出して試合終了までチームを信じて止まないチアリーダーもいます。だからこそ彼女たちはダンサーではなくチアリーダーとしてそこにいるのです。
今日のハーフタイムショーは東日本チアリーダー130名によるものでした。それはどんなタレントより歌い手より、パフォーマーよりも魅力的です。今日ボクは真っ暗の中、50ヤード(真ん中)から撮影を始めました。会場の東京ドームが暗転し、チアリーダーたちは暗闇の中でフォーメーションを組み、開始位置に陣取り明るくなるのを待っていました。ドームの照明がLEDに変更され、この暗転からの全灯が安易になったために多用されているパターン。真っ暗の中を撮影しようとシャッタースピードを手ブレする限界を超えるくらいに落とし撮影。映し出されたモニターで確認してみると、そこに写っていたのは白いコスチュームと赤いポンポンの一団。明るくなるとともに目の前には、そう富士通のフロンティアレッツ全メンバーがセンターを固めていたのです。ど真ん中にはキャプテン美笛さんのこれぞ『ザ・フロンティアーレッツ』(笑)。
「参りました」m(_ _)m
なんとカッコいいのでしょう! そこから動けなく(動きたくなく)なり、同じ場所から最後まで、用意していた望遠レンズを使うことすら惜しくてワイドレンズで(自爆)。いちよこのハーフタイムショーが始まるまでは、こう撮ろう、ああ撮ろうと動き回る気十分、準備万端で50ヤードスタートではありましたが、フロンティアレッツがサイドラインどころかスタジアムに結界を作ってボクは完全に取り込まれてしまい、雑念をすべて消し去ってしまったのです(自爆)。
そんなハーフタイムショーを挟んだ前後半、サイドラインにはIBMビックブルーのBBCというチア、反対側にはオービックシーガルズのシーチア。そしてそのチアリーダーをサポートしているスタッフが両チームとも豪華なOG。再びサイドラインに立って欲しいと願う顔ぶれ。サイドラインの内側でも両チームの精鋭選手たち。一挙種一投足が絵になる選手たち。ボクをフットボールに引っ張って来てくれた菅原選手、敵に回すとこれ以上憎たらしい存在はないノリさんこと木下典明選手やIBMの栗原崇選手。若手の注目株、李卓選手も大活躍。わぁ〜なんと楽しいボウルゲームなのでしょう。
勝利したオービックシーガルズおめでとうございます!
負けてしまったIBMビッグブルー、秋には巻き返してください。
今日のPEARL BOWLでまた降り出しに戻り、一斉の同じ位置からスタートとしてXリーグが始まり、その決勝としてJapan X Bowlへの道のりが再びはじまります。たぶん8月の終わりの方の週か9月頭から。
きっとフットボールを知らなくても、楽しい人生をおくれる人はおくれるでしょう。でも知るともっと楽しいということも知ることができます。楽しくない人生を送っているひとは言うまでもなく、こんな楽しいボールゲームがあるんだ!と思えるのは知ってからの話です。勝負だけではない世界、勝ち負けだけでは終わらない世界、そんな世界がフットボールの中にはあるのです。
いちどスタジアムに足を運んだら、フロンティアレッツだけではなく、各チームの、それこそチアだけではなく、結界があなたをフットボールから離さなく、離れたくなくなってしまうことでしょう(∩˃o˂∩)♡