MICHI ISHIJIMA - Pride One -

残り1ヤードを褒められるひとになりたい。

残り1ヤードを褒められるひとになりたい。

もう3年前になりますが、2016年の12月、JXB(ジャパンXボウル・社会人決勝)の試合前での話です。アップ中でのオービークシーガルズのQB菅原俊選手の話が聞こえてきました。

「緊急以外の電話しないで!と言って会社休んできて、電話かかって来たけど出なかった・苦笑」

日本のトップリーグ、社会人のフットボールは企業チームではないクラブチームは別に別会社で仕事をしながら週末フットボーラーになっています。もちろん企業チームもちゃんと業務しながらのフットボーラーですが、会社の融通が違うのは当たり前。オービックシーガルズと言えどもオービックはクラブへのスポンサーであり、企業チームではないのです。

なんども繰り返してますが、ボクをフットボールに引き込んだのはこの菅原選手。正月3日、偶然につけたテレビ(当時はテレビがうちにあったw)のライスボウルで菅原選手がカッコよかったからなのです。

なんだか最近思うのです。フットボール関係者、ファンの人、それぞれ各自の生活の中に占めるフットボール率はどれくらいなのだろうか!?と。色々なものを犠牲にしてまでフットボールに打ち込んでいる人がどれ程いるのか?!

日本のサッカーのトップリーグはプロです。プロなら100パーセントです。朝から晩までプロサッカー選手です。そしてファンもそうです。4年に1回ワールドカップ期間中の1ヶ月を会社を長期で休む訳にもいかず転職を繰り返してました。プロ化する前などは職業ライターでさえ別に職業をもっていました。後藤健生さんは塾の先生やってたりしてましたが、それでも100パーセントサッカーライターでした。

日本のアメフト、フットボールはアマチュアです。Xリーグと名前付いてようがアマチュアです。でも100パーセントフットボールってどれだけいるのだろう? 色々なものを犠牲にして打ち込んでいる熱い奴はどれほどいるのだろうか?! 現役はもちろんそうでしょう。そうであって欲しい。ただ現実は仕事に追われ、家庭の事情に追われ。。。

身近で知っているだけではチアリーダーは100パーセントフットボールチアリーダーです。色々なものを犠牲にして食事に気を使い、ジムに通い、休日をすべて練習にあて、フットボール会場に向かい。(ってまたチア話に脱線しそうなので戻しますw)

去年のJXB、表彰式撮影中、選手がチアリーダーが作る花道に戻って来るまでの間に雑談させていただいたNFLもXも熟知なされている専門誌の敬愛する先輩との会話。女子アナがわかってないと愚痴られる先輩「マイナースポーツだからしかたないけど」。「メジャーにしましょうよぉ〜」とボク。

「しましょう!」

根拠も方法も話すではなく、この意思統一。なんだかもの凄く嬉しかったです。だってボールは楕円なんですもの。地面にバウンドしたボールはどこに弾むかわからない面白さ、それがフットボールだと思うのです。

でもフットボールの面白さは、ボールを追っていたらわからないと思ってます。ボールを持っていないところで行われている選手の働きにあると思っています。現役時代を通してボールに触れることすらないポジションもある訳で、専門職のそれがまた面白みになっているフットボール。

子供達のフットボールも社会人でも同じシーンを目の前で撮影したことがあります。キックで大きく蹴り出されたされたボールをキャッチするべき敵選手がキャッチ出来ずに、胸で大きくバウンドしたボールは宙を舞い、そこに詰めていた選手の胸元へ、そのまま速度落とさずに走り込んでタッチダウン!はい、6点。作戦でも何でもなく、詰めていた、そこまで走ってきていた選手に与えられたご褒美でした。

ひとりひとり、フットボールを巡る住人たちが例え100パーセントではなくても、それぞれが自分の出来る、思いつく限りで構わないから何かのアクションを続けていけばボールは目の前に転がってくるのではないだろうか。そんな事を信じてやらないと!(と自己暗示w)

今はテレビも観ない身ではありますが、2018年は危険だという報道で騒がれ、フットボーラーの逮捕者で騒がれましたが、それによってチームやそれ以外の選手は大好きなフットボールも出来ずに、見れずに、企画も潰れ…各自が100パーセントフットボーラーであったら起きない事件が起きてしまった年でした。でも起きてしまった事をマイナスととるか、「アメフトという名前が世間に出た!」とプラスに捉えるかはそれぞれです。

フィールドは50ヤードを境に攻めていく方向に40、30、20、10に◀️とともに描かれています。自陣の場所でボールを受けたり、奪って走ったりしてそのままエンドゾーンと呼ばれる場所まで行けたらタッチダウン。でも惜しくも1ヤードを残して倒されたとします。『残り1ヤード(91.44cm)』。それを「あと1ヤードだったのにぃ〜」と残念がって悔やむのか、「よくそこまで走った!!」と賞賛するのか!?

昨日も書きましたが、『フットボールは本来プラス思考』の後者なのではないかと思うのです。敵にしてみたら「よく1ヤード手前で止めた!!」と賞賛です。日本のフットボール関係者やフットボールファンがみなこの事を忘れている気がしてならないのです。

「出来ない」ではなく「出来なかった・・・」けどまたファーストダウンからやり直せる、セカンドダウン、サードダウン、フォースダウンが続けられるのがフットボールだと自分に言い聞かせてみたい今日この頃。。。