MICHI ISHIJIMA - Pride One -

自分の存在

自分の存在

今日はとある広告代理店の社長のお別れ会の撮影をさせていただいてきました。

この方が就任なされた時に役員の方々、そして各地の支店を廻られた時も撮影させていただいておりました。もう8年も前の話なのだそうです。

広告代理店に出入りする写真を生業とする(した)者は軽く数百人に及び、全社をあげたら事によっては4桁になるのではないでしょうか?! その中でご退任なさる写真をご指名いただけるのはただ1人。こんな名誉な事はない。それがそう、私でした。

とあるところでは『要注意人物』とレッテルを貼られ、出る杭として打ちのめされ、いじめられている私。とあるところでは利権があると勘違いし、それを奪おうといろいろな事をでっちあげられ、吊るし上げにあい、これでもかと叩きのめされたり、自分たちの都合の良いように仕立て上げられている身の私。警察官が職務質問で「過去にもないですか?」と喰いつかれる程の極悪非道な者にされる私。いつも、誰でも私に直接連絡するでもなく、この手の話を人から聞くのは、きっと私が怖い人だからなのでしょう。高校の入学式のあとで教室で「本当は怖い人かと思ってた。。。」って同級生に言われた事を今でも覚えています。

しかし事そんな酷い奴(w)が撮る写真は日本で一番とされたり、現役を続けていくための支えにしてもらえたり、極秘結婚式をご本人に任されたり、ここ1番のオーディション写真を仰せつかったり、高校生の憧れの大会を1枚の写真として、成長してからも記憶してもらっているのも私。

ただ、今回のご退任は写真で選ばれた訳ではなく、ご就任なされた時に撮影させていただいた印象、人柄での推薦だったとお聴きしました。

それこそ各方面から毛色が違う(爆)者として扱われ、美女と野獣、野獣扱いされている事には慣れてはいても、人として扱われるのは慣れてはいない。ましてや打たれ弱い性格に牙をむいていないと自分が保てず、心を硬くして日常を過ごさねばならない身でした。心を開いたらつけ込まれ打ちのめされるのがオチとして生きて来ました。不思議な事に今でも生きています。生き抜いてきました。

今回の大役を人柄としてご指名していただいたのは、実は写真をお褒めいただくよりも私にとっては嬉しい事なのです。この上なく涙が出る程嬉しいことなのです。明るく振舞っていないと泣いてしまいそうなくらい。必要としてくださっています。

伊丹十三監督作品に『たんぽぽ』という映画があります。寝込み、医者にも見放された奥さんに旦那さんが言います「かぁちゃん、飯だ、飯!飯はまだか!?」。奥さんは布団から起き上がり、ご飯の支度をします。そして旦那さん、子供達が食べ始めると息を引き取ります。

必要とされるという事はそういう事。

今日は上役の方々とのお別れ会でした。これから支社、そして本社での会も仰せつかっています。あとの2つは這ってでも笑顔を絶やさず、そして完璧に写真に納め、そして納品させていただきます。

私が倒れるのはそのあとに(爆)