古典的に言われていることに『写真は足し算、引き算』というのがあります。
フレーム、写真の枠の中に足りないものを足し、余分なものを排除する。
強豪チームになった中田監督の久光、目指したのはワンフレームでの攻撃。
ひとつのフレームに入れるということ。それはやはりスチル的な考え方であって、ムービーのようにパンすることができるのではワンフレームは成立しない。そこには計算されて配置されて次を考える思考がないと収まらないのです。
例えば1枚の写真を撮影するのに数人を配置します。言われたままにそこに突っ立っている絵と、なぜそこに配置されているのか、空間認識や各自が思考を持って配置されているかをわかったモデルがいる絵では出来上がりの力が違う。
それが必然なスポーツシーン、コンサート中も同様にそこでプレーしている選手が立ち位置の意味がわかっている、演じている演者が理解している絵とそうでない絵というのは明らかに違いがわかります。
シャッター押している人が押しているだけなのか、全部が描けて押しているかによっても全く違ったものになっているのですが、それがわかる人は面白い絵を撮れ、わかっていない人が撮るとつまんない絵になっている。驚ろかしで超豪華なセットを組んでもつまらない絵は飽きてきます。色鮮やかな色を配置しているものもそう。ぱっと見用なのか、飾っておくのか。
いいなぁ〜と思った絵はしばらく日常生活の中で見える位置に飾ってみてください。それまで勢いで隠されていたものが見えてきますから。
と今日はちょっと落ち着いた写真の話でした。