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「恵まれていないひとだけが自殺するわけではない」

「恵まれていないひとだけが自殺するわけではない」

「いちどならずも2度までも!」またもや健康問題を理由に中途半端な投げ出しをおこなった首相のいるこの国で、順風満帆と言われている女優さんが「またもや」自らの命を絶ってお亡くなりになられました。

芦名星(あしなせい)さんがお亡くなりになられたニュースは数日前のこと。ちょうど故・三浦春馬さんの連続ドラマが始まったことも重なりました。芦名星さんもドラマの中では生きています。しかし新しい作品が世に出る機会はもうありません。

そこに至るにはそれ相応の出来事があり、思考があり、そして何も考えられなく考えなくなったときに他界する。そこに何かを考えることはなかったでしょう。その時に自らの思考が趣味であったり、好きなことであったり、その晩に何食べようか、何飲もうかでもいい、痛いや痒いの感覚でもいい、何でもいい、そんなたわいのないことだったとしても、それを考えることができていたならばきっとそこ、死に至ることはなかったであろうことは安易に想像することが出来ます。

先月、自粛要請期間が明け最初の撮影の時、とあるトップアスリートもこんなことを言っていました。

恵まれていない、不幸なひとだけが自殺するわけではない」と。

何が不幸で、何が悩みで問題なのかは個人差があり、他の人には何でもないことでも当人、その人にとっては自殺に至るまでの問題になることがあります。だから側から見て不幸には見えない恵まれているひとであったとしても、他の人にはわからないその人の大きな問題を抱えている場合だってある。

その人の性格もあるでしょう。その人の職業にもよるのでしょう。個人事業主でもある芸能は仕事の上下の幅も大きいし人間関係もある。

テレビや新聞などの報道媒体は「順風満帆なのになぜ?」と過去の話、自局の出演作の映像を流し、意図がある方向性にあったコメント「信じられない」をSNSのどこかから拾ってくる。そのひとの内面に現在起きていたことなど微塵も知らずに。個人的にも報道で触れて欲しくはない問題だってある。そもそもどんなに取材されたところで本人の悩みなど知る由もない。

番組では必ずと言って良いくらいにその後に相談窓口を案内していました。自死にいたるまでの悩みに有名人も一般人もないからでしょう。しかしその窓口は役所。日本の役所に期待できるものは何かあるのでしょうか。

WHOによると世界でもっとも自殺の多い国はグリーンランド、リトアニア、韓国と続き、日本は13位。グリーンランドはアルコール、日照不足による鬱が要因とされ、日本は若者がいじめ、ネットいじめ、ひきこもり。大人は精神疾患など健康問題によるもの、貧困や経済状況の悪化、家庭問題、職場の人間関係。今年は世界的に貧困や事業不振、倒産などによるものが増えていることでしょう。1回限りの給付金では焼け石に水。

自殺が一番多い年齢層は私もここに入る50代が最も多く、60代、40代、30代と続く。ちなみに15歳から39歳までの死因の第1位が自殺であり、事故死より多いのは日本だけなのだとか。

日本の自殺者年齢層は、働き盛りの50代が最も多く、次いで60代、40代、30代の順よ。最近は若年層の自殺も増えていて、若年層の自殺率は世界でトップクラスなの。しかも、日本の15歳から39歳の死因の第1位が自殺という悲しい結果になっていて、事故死よりも自殺が多い国は日本のみ。

感染症にかかって死ぬか、自殺で命を落とすのか、この国ではあまり変わらない気がしている。