MICHI ISHIJIMA - Pride One -

分身

分身

今からおよそん年前に購入した腕時計。当時結構頑張って『エイヤッ!』と買った記憶がある。

それまで安い時計を壊れては買い、飽きては買い、彼女が変わったら買って(自爆)いた。

『時を刻む』とは自分の歴史、自分とともに歩んでくれる時計が欲しかった。その通りにこの時計にはいろいろな記憶が一緒に刻まれている。

 

ミラノ北駅でこの時計がポロッと腕から滑り落ちた。ベルトの劣化によるものだった。

修理出したけど引き取りにいくお金がなく長い間引き取りに行けなかった。確か1年近く。

 

ロッテルダムに帰れなくなってヤマト運輸で夜間バイトしていた時にクール便のコンテナに腕を挟まれた。

「あっ、腕無くなったな、、、」なんだか冷静だった。

自らそう諦めてコンテナを右腕で移動させたらこの時計がポロッと落ちた。

この時計が犠牲になって腕を守ってくれていた。

 

今回の修理は経年劣化によってボロボロになっていた表面ゴムの取り替え。

何年になるだろうか? 長い間飾っていたが想い付くままに修理に出した。去年の年末の事だった。

点検整備清掃、ゴムの交換を戻って来た時計は何事もなかったように『今』の時間だった。

 

またこれから一緒に時を刻んでいけることが嬉しい。。。