MICHI ISHIJIMA - Pride One -

年速5センチメートル

年速5センチメートル

アニメーション映画『秒速5センチメートル』を観ました。観ている途中で新海誠さんの映画とわかりました。2007年の映画でした。

最初にこの映画を観たのは車の中、運転しながら。だから断片的にしか観られずに、いつかちゃんと観たいと想いながらも忘れかけていました。

それが突然、アマゾンプライムの広告で流れ…. 迷わず見始め、始まってそうそう、泣いていました。

遠野貴樹はその後はどうなったんだろう。

対外的につくろえるここにいるひとりのおじさんと、つくろえない遠野貴樹との違いこそあれ、たぶん心の行き着く先は変わることはないんだろうなぁ〜と想像しています。願わくば、、、ネタバレになるから止めておきますw

恋愛とは、種の存続、保存を遂行させるための麻薬、麻痺。女性は自分の身体を痛めてまで、生命の危機を冒してまで妊娠、出産をし、男性は自らのリソースを喰われてしまうことを恐れずに子供を育てます。しかしそんな麻酔状態が切れて正気に戻るのが3年だと言われています。だから3年でわかれるのだとか。。。

でも、それだけではない「相手」というものも存在すると想っています。

最初にこの映画が終わった車の中で、今までの自分の恋愛を考えていたことを思い出しました。それは人生の中で2人でした。結婚生活8年、その後つきあった8年方ははここには入っていませんでした。写真を撮るときは必ず被写体に恋をします(してしまっています)。アメフトで言ったらオービックシーガルズの菅原俊選手がそれでアメフトを撮り始めました。気が付けば、写真を撮り始めてからずっと男女を問わずに恋愛感情で感情移入してシャッターボタンを押していました。だから恋は数えきれない程の日常茶飯事のことでした。しかし劇中のセリフの言い方を借りれば、被写体とはきっと、1000枚も写真を撮っても、たぶん心は1センチくらいしか近づけていないのでしょう。

「届かないものに手を触れたくて、それが具体的に何を指すのかも、ほとんど脅迫的とも思えるその想いがどこから湧いてくるのかもわからず、ボクはただ働き続け、気付けば、日々弾力を失っていく心が、ひたすら辛かった」(劇中より)

それを癒してくれたのが2人でした。

「ただ生活をしているだけで、悲しみはそこここに積もる。・・中略・・携帯電話の履歴にも」(同)

だから履歴を消したり、メッセージのやり取りを消したり自分でそれをやってきたことの意味が、なぜ消したかったのかも腑に落ちました。

山崎まさよしさんの『One more time, One more chance 』ではなく、ソンシギョン さんのカバー曲の方が歌声とともに染み込んできます。

それにしても新海作品はカット割りが好きで、宇宙(そら)が心と同期しているところが好きです。自分は宇宙(そら)は描けないけれども、観終わった後で、空で写真展したいと急に思いつきました。。。

でももうこの弾力が戻ることはないのでしょう。

ただ、手紙、書きたいな。。。