誰もが必ず経験する通過儀式がある。
中学生の頃、学校のブームは全日本女子バレーチームへの往復はがき送りだった。
サインを入れて戻してくれる儀式がボクのアイドル儀式、ボクのアイドルは中田久美選手だった。
バレーの写真を撮る事が仕事になってもボクの中田選手ポジションは変わらなかった。
恐れ多くてひと言も会話出来なかった存在。
選手を引退して挨拶にも無視され続けた。イタリアで逢っても会釈しかできなかった。
監督になり、ようやく会話出来る機会を得られた。
アジア選手権ではおにぎりを頂いた。
世界選手権では一緒に朝ご飯まで頂いた。
今でも久美さんの前では石島少年のままでいる。